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大事な約束の時に書くもの、そんな印象の念書。実際にこれを私生活で書く機会というのは、それほど多くはないかもしれません。しかし、後でトラブルにならないためにも、基本的な知識が必要です。

ここでは、念書についての基本的な知識をおさらいしてみましょう。

 

基本なんですが…、念書とは?

念書とは、その通り「念」のために書いておく文書、後日ある約束をしたことの証拠について参照される書類のことです。そして、一方の側から相手の側に交付される、一方からの約束ごとであるといえます。これが、契約書と念書の異なるところです。契約書は、双方の合意に基づいて交わされ、お互いが約束を守ることが求められるからです。

 

 

トラブルになってしまった時に、念書には効力あるの?

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実は法的に言って、念書はそれがあるだけで権利や義務が発生するわけではありません。例えば、浮気をした夫が妻に、「200万円の慰謝料を払います」と念書を書いていたとしても念書自体に強制力がありませんので、慰謝料が確実に払われるかどうかはこの夫しだい、ということになります。

しかし、裁判になったときに証拠として機能することがあります。裁判官が過去の事実を推理していくのに使われ、そこから認定された過去の事実の存否によって権利義務が発生することがあります。

したがって、確実に書いた事柄を実行してほしいなら、裁判を経ることなく直ちに強制執行できる「公正証書」にすることが好ましいのです。

 

書いてはダメな念書とは?

そもそも法的に拘束力のない念書ですから、内容が違法な場合は、まったく意味がありません。したがって、従う義務もありませんが、トラブルを避けるため、明らかに違法な内容を履行するように求める念書には、サインしないように気を付けましょう。

交通事故にあってしまった時に、加害者の側に念書を書かせる人もいるようですが、これはやめたほうがいいでしょう。法的効力がないばかりか、保険会社に「金銭目的」と警戒されてしまうことがあります。

 

聞いたことがあっても詳しくは知らない「念書」について!法的に効力はあるの?書いてはダメな念書とは?

念のために書面にされる約束事で、一方の側から相手側になされる約束ごとです。

念書自体に法的拘束力はありませんが、裁判になったときに証拠として機能することがあります。

内容が違法な念書にはまったく意味がありませんが、トラブルを避けるためそのような念書にはサインしないように気を付けましょう。